ワンちゃん猫ちゃんの避妊手術について


通常、ネコちゃんや小型犬では6〜8ヶ月程で初めての発情を迎えます。

一方大型犬の発情開始は小型犬より少し遅く、1歳前後と言われています。

 

個人差はありますが、ワンちゃんの場合、発情前期〜発情期の兆候は外陰部が腫れる、陰部から出血する、元気がなくなる、落ち着きがない、食欲の低下、頻尿などがあり、出血も1〜2週間みられます。発情は年に1〜2回起こります。

ネコちゃんの場合はワンちゃんと異なり出血はみられませんが、マーキングをする、大きい声でよく鳴く、お尻や尻尾をピンと持ち上げる、体を色々なところにゴロゴロ擦り付ける、などといった行動の変化が見られます。1〜2週間ほど続き、これが年に2〜3回ほど起こります。

 

 

◉避妊手術とは?

 

避妊手術とは、全身麻酔下でお腹を切り、卵巣、あるいは卵巣と子宮両方を摘出する手術です。

当院では、ワンちゃんネコちゃんともに卵巣子宮全摘出を行っています。

おへそから下腹部にかけて、小型犬やネコちゃんでは1〜2cmほど切開し、卵巣と子宮を摘出し、2~4針ほど縫合します。

手術時間は20~30分ほどで、10日前後で抜糸を行います。

◉避妊手術を行うメリットは?

避妊手術をするとワンちゃん猫ちゃんともに発情がなくなり妊娠をしなくなります。多頭飼いなどの場合で、望まない妊娠を避けたいときは不妊手術をおすすめします。また、不妊手術には病気の予防という一面もあります。

 

ワンちゃんの場合、一度も発情が来る前に避妊手術を行うことで、乳腺腫瘍(乳がん)の発生率が、しなかった場合の0.05%まで抑えられると言われています。この効果は発情を迎えるほど低くなり、3回以上発情を迎えると、あまり効果がないとも言われています。

また、子宮蓄膿症、卵巣腫瘍、子宮腫瘍などの病気も予防することができます。

 

ネコちゃんも不妊手術をすることで、乳腺腫瘍や卵巣、子宮の病気を予防することができます。また、大きな声で鳴くなど発情期特有の行動も抑えられ、お互いのストレスの軽減になることが多いです。

◉避妊手術のデメリットは?

デメリットとしては、当然子供ができなくなりますので、将来的に繁殖を考えている方は慎重な判断が必要です。

 

次に、手術には全身麻酔が必要です。残念ながら、現時点では全身麻酔のリスクはゼロではありません。今の獣医療では麻酔を実施する際、死亡する可能性がある症状(薬剤によるアナフィラキシーや不整脈など)を起こす割合は、犬で0.2~0.5%と言われています。当院では手術前の検査、術中の各種モニタリング等万全の体制で手術に望み、リスクを最小限に抑えるよう努めています。

 

また、ホルモンの関係上、代謝が落ちて太りやすくなることがあります。稀ではありますが、高齢になると、尿道括約筋の働きが低下し、尿漏れを起こすことがあります。ふとした瞬間に下腹部に力が入ると漏れる、寝ている間におしっこが少し漏れてしまうなどの症状がある場合はこのホルモン性の尿失禁かもしれません。

 

 


小さい体にメスを入れますので、決心がつかなかったり、ご家族の中で意見がわかれることもあるかもしれません。手術にはご家族の総意が大切です。

 

現段階の獣医学においては、病気の予防という観点から、避妊手術のメリットはデメリットを大きく上回るとされております。

 

メリットとデメリットをよく吟味し、ワンちゃんネコちゃんとご家族にとっての最適な道をご検討ください。

ご不安な点や疑問点などありましたら、お気軽にご質問下さい。

 



診療動物:   犬 ・ 猫



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