高齢のネコちゃんのの代表的な病気と言えば腎臓病が第一にあげられます。腎臓は尿をつくる臓器で、体内の不要な老廃物を排出したり、体内の水分量を調整するために重要な役割を担っています。この腎臓が長期間(3カ月以上 )かけて腎臓が持続的にダメージを受け、徐々に腎機能が低下し、十分に機能できなくなる状態を腎臓病といいます。
慢性腎不全の原因ははっきりとわかっていないことが多いです。腎結石や中毒、感染性の腎炎の他、遺伝や加齢、飲水量の不足なども原因としてあげられます。
症状
個人差はありますが、一般には長い時間をかけてゆっくりと症状が進行します。初期には水をたくさん飲む、薄い尿を多量にする、尿のにおいが薄いといった症状が見られますが、元気食欲にはあまり問題が見られないことが多いです。しかし、この頃にはすでに腎臓の75%が失われているといわれています。その後段々と病態が進行するに従って、食欲不振、体重減少、嘔吐や貧血などの症状が現れます。
治療
慢性的にダメージを受けた腎臓は、一般に回復することはほとんどありません。そのため、治療の方針は、早期発見及びそれ以上の腎臓の悪化をなるべく遅らせてあげることがメインとなります。
専用の腎臓用処方食はリンやナトリウム、タンパク質が制限されており、早い段階で切り替えることで余命を2倍に伸ばせるとも言われています。ただし、ネコちゃんは好き嫌いのある子も多く、特に慢性腎不全で食欲の落ちている場合はしっかりとカロリーを摂ることが第一になりますので、状況に応じて相談の上ご飯を決めていきましょう。
腎臓の血圧を下げて腎糸球体へのダメージを抑えるために、飲み薬を使う場合もあります。
また、脱水を起こしやすい状態であるため、病状に応じては定期的に皮下点滴を行います。通院で行うこともあれば、自宅で飼い主様に点滴をしていただくこともできます。詳細は診療時にお気軽にご相談ください。